第四回アジア映画祭はきょう二十日から始まる。

 参加国は日本、韓国、台湾、フィリピン、香港、マレー、インドネシア、タイの八カ国。日本からは劇映画『黄色いからす』(松竹)、『明治天皇と日露大戦争』(新東宝)、『鳳城の花嫁』(東映)、『朱雀門』(大映)、『柳生武芸帳』(東宝)、短編映画『秋吉台』、『黒部渓谷』、『九十九里浜の子供たち』『ちびくろさんぼのとらたいじ』、『御蔵島』が出品されているが、その他の国はフィリピン九本、マレー八本、インドネシア四本、香港三本、台湾三本、韓国二本、タイ二本となっている。

 これらの作品を日本の坂西志保を委員長に、清水千代太(日本)、ジミイ・ウェイ、リー・チィア(台湾)、ナルシソ・ピメルテン、ラモン・タパレス(フィリピン)、シンシア・コエク(マレー)、オー・チョング・シック、リー・ジン・ソップ(韓国)の十一審査員が過去三回の基準に従い、あくまで作品の優秀性に重点をおき(国際的な政治性にはふれない)受賞作をはじめ数々の賞を決めることになっている。そして招待作品および日本を除く出品映画は、二十一日台湾、香港、二十二日韓国、比島、二十三日シンガポール、タイ、二十四日ヴェトナム、インドの各国別各一本の割で東京山葉ホールで鑑賞会を開催、同じく受賞作品は二十五日午後一時より上映することになっている。

 日本がイニシアティブをとったこの映画祭が回を重ねるごとに内外から注目を集め、これを契機として香港と合作映画が製作されたり、近くはフィリピン、タイ国などとの合作気運が盛り上がって来ていることはうれしい限りだ。アジア諸国と民間外交の実を率先して示したこの映画祭の功績は大きいといわねばなるまい。しかし第一回から問題となっていた中国の参加は今年もまた実現しなかった。二つの中国の間の宿命的な対立はともかくとして、映画祭の首脳部が何とかこの面でも民間外交の平和強調の線を出すことに努力してもらえなかったかと、ちょっと残念な気がしないでもない。

 また過去三回において日本が賞を独占しているが、これが他国の出品意欲をそぐという意図が映画祭執行委員の間で問題となっているそうだが、あくまで作品のみを問うという審査方法からすれば、これはやむを得ないことであろう。日本に一日も早く追いつこうとアジア諸国の映画製作者が努力し、アジアの水準を少しでも高めることに役立てば、これまたこの映画祭の目的の一つが達せられたということになるわけである。(オールスポーツ05/20/57)  

 

 アジア太平洋映画祭(あじあたいへいようえいがさい)とは1954年に創設されたアジア映画製作連盟が主催する映画の賞である。最初の名は東南アジア映画祭。次にアジア映画祭(1957〜83)。

 東南アジア映画市場開拓に力を入れる日本の大映代表取締役社長の永田雅一を主催とし、フィリピンのマニュエル・デ・レオン、タイのバヌア・ユガラ、インドネシアのオスマー・イスマイル、香港、シンガポールのロク・ワン・トオ(陸運濤)、ランラン・ショウ(邵逸夫)、ランミー・ショウ(邵仁枚)らの署名と業界の一致によって創設された映画祭。

 

 

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