企画スタートからおよそ4年。著者は毎月のように老脚本家のもとに通い、取材を重ねました。その内容の濃さと情報量は大宅賞受賞の名作「鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折」をも凌ぐ膨大なものです。著者と高田氏の”格闘”とも言える共同作業の結果、出来上がった「なめたらいかんぜよ」は、「鬼の筆」とはまるで肌触りの違う本に仕上がりました。「鬼の筆」が巨星の「栄光と挫折」をたどったものならば、「なめたらいかんぜ」は「挫折に次ぐ挫折」を経て仕事人が成り上がっていくそのプロセスを豪快に描きます。仕事人の生き様とはどういうものか--高田氏が直面するさまざまな試練が、それを読む者に問いかけてきます。
振れ幅の大きさをぜひ楽しんでいただきたい本です。ロジカルで緻密な脚本論を語ったかと思えば、東映黄金期の豪快で破滅的な日々が明かされる。盟友である名監督、名プロデューサーたちの「弱み」を赤裸々に暴露したかと思えば、その「手腕」を確かな視点で評価する。多面体のようなこの作品からわきあがる「狂熱」を、ぜひお楽しみください。 |